21.世界
いよいよ最後のカードになりましたね。「世界」のカードを読み解いていきましょう。
このカードは大アルカナの最終札です。すなわち、ひとつの「ゴール」や「完成」を表します。「世界」のカードが出てくるということは、占った事柄の「クライマックス」を迎えることが示されているのです。
絵柄を見てみると、中央には1人の裸の人物。手にバトンのようなものを持って踊っています。その人物を取り囲むようにしてリースが連なり、四隅には4つの存在が中央の人物を見守っているようです。
絵柄の周囲にいる4つの存在は、四大聖獣である「テトラモルフ」。4つのエレメンツ、火地風水をあらわします。
この4エレメンツがすべて出揃っていることで、「何も欠けているものはない」ということや、「すべて役者が出揃った状態」であることが示されています。
中央の人物は、踊ることだけに集中しています。自我をなくしている究極の状態です。
皆さんも、ライブなどでノっている時、大好きなことに取り組んでいる時、そのことだけで意識がいっぱいになり余計なことを考えなくなるような、時間を忘れるひとときはありませんか?
このカードは、そのような「ひとつの瞬間が永遠の輝きを宿す」ということも表します。
ところで、この「世界」のカードが出ると、「願いが叶う」「すべてうまくいく」などと言われることがあるのですが、実は決してそうとは限らないのです。
このカードが示すのは、「(今の世界での)ベストな結果」が出るということ。裏を返すと、これ以上良くならなくて「ここまでが限界」ということでもあるのです。
もう少し具体的にお話しすると、ある展開法を使ってタロットカードを読んでいく時、ほかのカードがどのような内容なのかによって、「世界」のカードの読みが変わります。
ほかのカードが芳しくないのに1枚だけポツンと「世界」のカードが出ている時は注意が必要。「これ以上先はない」「これが今のベスト」という暗示が強く、「願いが叶う」と読むのは難しいでしょう。
その点も踏まえて、全体の展開が希望に満ちたものであるなら、物事がいい方向に進む可能性は高いでしょう。注意深く「今のベスト」とはどういうことなのか、読み取ってみてくださいね。
最後に、アドバイスカードとして出てきたならば、「今のあなたにできることを最大限努力せよ」ということです。
つまり、まだできることはあるということです。すべての手を出し尽くして、あなたの願いをつかんでください。
この講座は次回の「まとめ」が最終回になります。
あと1度だけお付き合いくださいね。
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原稿提供元 アカデメイア