20.審判
それでは、「審判」のカードに入っていきましょう。
このカードには、キリスト教の「死生観」が描かれています。少し難しいかもしれませんが、ゆっくり読み解いていきましょう。
まずは、東洋と西洋における「死生観」の違いを説明しなければなりません。
東洋では、人が亡くなった後も命(魂)は生まれ変わりを繰り返すという考え方が一般的です。「輪廻転生(りんねてんしょう)」という言葉、皆さんも聞いたことがあるかもしれません。
一方、西洋(ここでは主にキリスト教)では、人が亡くなった後は、「亡骸(なきがら)は棺桶の中で保管され、天国に行くのか地獄に行くのかという『審判』を待たなければならない」とされています。
つまり「審判」が始まるまでの間、亡骸はじっと棺桶の中で待っているしかないのです。
でも、じっと待っているだけって結構しんどいですよね。自分がどこに行くのか分からないのが一番不安で、とにかく早く教えてほしいと思いませんか??
ここで、カードの絵柄に注目してみましょう。
上の方に描かれているラッパを吹いている天使。この天使は、ラッパによって『審判の始まり』を告げています。そして、下に描かれている人々。この人たちは、いわゆる「死者」です。棺桶の中で『審判の始まり』をずっと待っていた人々は、待ち望んでいたラッパの音が聞こえ、救いを求めて天に手を差し伸べているのです。
この絵柄を見ても分かるように、このカードが出る時、「待ち望んでいた知らせ」が届くことがあります。逆に自分が相手に声を掛けた時、喜んでもらえるなどの「反応が得られる」こともあるでしょう。
また、過去に起こった出来事がもう1度起こる「デジャブ」のような体験をすることも…。「棺桶に入っていた死者が起き上がる」かのように、一度終わってしまった恋や関係が息を吹き返す可能性があります。占う内容によっては、「復活愛」や「仲直り」も期待できるんですよ。
いずれにしても「審判」のカードは、過去の出来事が清算される時や今まで隠されていたことが表に出る時に表れるのです。
それでは、カードも残り1枚。次回も頑張っていきましょう!
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原稿提供元 アカデメイア