18.月
それでは「月」のカードを読み解いていきましょう。
カードの絵柄に注目してみると、まずは真ん中にぼんやり空に浮かぶ月の姿が描かれています。そして、その月を見上げる2匹の動物たち。よく目を凝らしてみると、水辺にザリガニがいることにも気付けるでしょう。
さて、ここで皆さんに質問です。このカードに描かれている月は、どんな形をしていますか?
満月のようにも見えるし、三日月のようにも見えますよね。
実はこの月、「どの形が正しい」ということははっきりしていないのです。もともと月は、日々姿を変えていく、ある意味「不確かなもの」の象徴です。
それに実際は、月そのものが自ら光を放つことはなく、あくまで太陽の光を反射して輝いているように見えるだけ…。日本でも昔、人はそんな月を見てさまざまなことを考えたようで、和歌に詠んだり、「月ではウサギが餅つきをしているのではないか」と想像したりしました。
このカードが表すのは、まさに「イメージの世界」です。
何ひとつ確実なものはなく、あくまで幻想だったり、推測だったり。見る側が勝手にイメージを作り上げているということもあるでしょう。例えるなら、ある時の月はとても美しく見えるけれど、ある時の月にはとても不安な気持ちにさせられ、ありもしないことを妄想させる力になることも…。
実際の占いで「2人の関係性」の位置に「月」のカードが出てきたら、まさに「はっきりしない関係」だということでしょう。2人の仲は分からないことだらけ。将来を見据えて、明朗快活にお付き合いをしているという感じではありません。
でも、恋の醍醐味である「ムード」はたっぷり。ある意味でロマンティックな関係とも言えます。
だって恋愛って、相手のすべてが分かってしまって想像を膨らませる余地がなくなったら、どうなると思いますか?
相手のすべてが分かることは安心にはつながるけれど、手に入れたと思ったら「何をしているのかな?」などと想像して胸が高鳴ることは減りますよね。
最後にひとつ。
月は暗い夜にしか見えないもの。このカードは時折、「秘密」や「隠し事」がある時にも登場します。夜、月明かりの下で人目を忍んでコソコソしている恋…。ムードだけはあるけれど、場合によっては気を付けた方がいい面があることも…。月の光に惑わされ、だまされてしまうことがないようお気を付けくださいね。
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原稿提供元 アカデメイア