17.星
それでは、「星」のカードを読み解いていきましょう。
絵柄でまず目に付くのは、正面に描かれた「1つの大きな星」ですね。
そして、それを取り囲む小さな星たち。星の下では、1人の裸の女性が水がめから水を流しています。女性の肩越しに見える1本の木には、夜明けを知らせる鳥の姿が…。
ところで皆さんは、夜空を見上げて「星」を眺めると何を想像しますか?キレイだな、あれは何の星座かな?そういったことを思い浮かべますよね。
昔々「星」というのは、ただ眺めるものではなく「目印」や「目安」として使われていました。
一例を挙げると、シリウスという星は、古代エジプトにおいて「ナイル川が氾濫する時期を教えてくれる星」として重要な役割を果たしていたのです。
さて、例えばの話ですが、皆さんが何も荷物を持たずに大海原を航海しているとします。方位磁石や羅針盤もなく、そこで唯一頼りになるのは…「星の存在」だと思いませんか?
真っ暗闇の海が広がる中、北の空には「北極星」の姿があります。
そうすれば、「あっちが北か」と知ることができ、心からほっとすることでしょう。安心のあまり、思わず涙があふれることもあるかもしれません。
このように、「星」のカードは、「先の見通しがつく」といった要素を秘めています。今はまだ暗い夜だけれども、先行きに期待が持てる、将来性があるということです。
そして、女性の手に持った水がめからあふれ出る水は、私たちの感情やエネルギーが放出されることを表しています。
思わずあふれ出る嬉し涙や、喜びの感情。「頑張ろう」という前向きに努力する姿。この水は決してなくなることはなく、いくらでも水がめから流れて出てくるのです。
読む際に注意していただきたいのは、星が見えて「見通し」がついていたとしても、「確実にそれをつかめる保証はない」ということです。それでも、天上に輝く大きな星が見えれば、自ずと頑張る力がわいてくるのではないでしょうか。
夜明けを告げる鳥の声が聴こえるのも、きっともうすぐです。
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原稿提供元 アカデメイア