13.死神
それでは、「XⅢ 死神」のカードを読み解いていきましょう。
いつものように絵柄に注目してみましょう。
まず目に飛び込んでくるのは、白馬に乗ったガイコツの姿です。ガイコツは、真っ黒い甲冑(かっちゅう)を身に着けています。手には黒い旗を持ち、白馬は何事もなかったかのように粛々と道を横切っていく…。
地上には、生きているのか死んでいるのか分からないような無力な人々の姿。そして、遠い門の向こう側には朝日が昇りゆく姿が見えます。
このカードは「死生観」について描かれていると言われています。
ここで、カードの絵柄の「地上にいる人物」に注目してみてください。白馬の前で祈りを捧げているのは「法王」の姿です。そしてもう1人、白馬の下に横たわっている人物は、「皇帝」です。このカードは、法王だろうが皇帝だろうが、「死はだれにでも平等に訪れる」ということを描いているのです。
白馬に乗った「死神」は、ただ静かに横切っていくだけ。私たちはそれを止めることも、逆らうこともできません。ただ祈りを捧げるだけ…。
でも皆さん、このカードが出てきたからといって決して怖がらないでください。
このカードが伝えたいのは
「終わらせるからこそ、新たなスタートを切ることができる」ということなのですから。
このカードは、人生の節目で出てくることが多いです。
愛する人との別れはつらいけれど、別れなければ新たな恋には踏み出せない、会社を辞めたからこそ、新たな場所で働き始めることができる、など、「終わらせなければ始められないこと」って、皆さんの人生でもいろいろあったかと思います。
恋愛で占った時、2人の今後を示す場面でこのカードが出てきたら、「これまでと同じ関係」ではいられないでしょう。ただ、それを「別れ」にするのか、いったん生まれ変わったくらいの気持ちで新たな付き合い方をするのか、それはあなた次第です。
このカードに描かれた「朝日」は、新たな希望の光。
それを決して忘れないでくださいね。
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原稿提供元 アカデメイア