11.正義
今回は「正義」のカードを読み解いていきましょう。
絵柄には、真っ赤なローブを羽織った女性が描かれています。彼女の左手には天秤、そして右手には剣が。彼女の顔に感情はなく、とても静かなまなざしを持っています。
この女性は、ギリシア神話に出てくる「裁判の女神 アストレイヤ」です。
ヨーロッパやアメリカの裁判所には、この「正義の女神」のモチーフが存在しますし、日本でもアストレイヤの銅像が置かれている裁判所があります。
ところで「裁判所」というのは、「法に照らして人の行為を正しくはかる」場所ですよね。
主観や感情に走らず、きちんと比較検討をして冷静に判断していくことが求められる場所。そうでなければ人を裁けません。
アストレイヤの左手に持った天秤は「善悪をはかる」天秤です。どちらかに偏ることなく公平に、公正であることのシンボルになっています。
そして、忘れてはならないのが、さまざまな条件を出して物事を比較検討した後は、「決定する」必要があるということ。どちらかに決めることが求められます。
アストレイヤの右手に持った剣は、「決断の剣」。剣は、物事を分断する、すなわち迷いに終止符を打ち「決定する」ことのシンボルです。
人はよくあちらもこちらもと異なる願望を持ちますが、なかなか両方とも手に入れることはできず、人生でも「選択する」ことがたびたび求められるもの…。
皆さんが占いをしていて「正義」のカードが出たならば、まず「感情的にならずに、きちんと情報を集めて比較検討をしましょう」ということ。そして「より適切な決断を下しましょう、選びましょう」ということです。
ただし、恋愛の場面でこのカードが出てきたならば…、条件面に目がいって、大事な「感情」を忘れてしまっているメッセージかも。特に逆位置で出てきた時は、条件面で比較検討をし過ぎて、どちらの方がいいのか分からなくなってしまっていることが多いです。冷静な判断力を失った結果、変にどちらか一方に偏ってしまうことも…。
確かに、年収や相手の学歴、その他の条件は気になるもの。それでも、恋って理性で判断できるものではありませんよね。感情が大事になる恋愛の場面では、頭で考え過ぎずに、もっと心の声に従ってみた方が迷いが晴れるかもしれませんよ。
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原稿提供元 アカデメイア