8.力

今回は「８．力」のカードを読み解いていきましょう。

カードの絵柄には、１匹のライオンとそれを手なずけようとしている女性が描かれています。

ところで、皆さんは「ライオン」って、どういう動物だと思いますか？
本来は、とても危険きわまりない獰猛なケモノですよね。何も考えずに近付くと、ガブっと噛みつかれ、最悪の場合には殺されてしまうこともあり得るでしょう。

しかしこの女性は、本来獰猛なはずのライオンを上手に手なずけて、飼いならしています。それはけっして簡単なことではありません。この部分に、このカードが持つすべてのことが詰まっているのです。

女性がライオンを手なずけるには、相当な知恵や手腕が必要でしょう。あの手この手を駆使して工夫して、「本来であれば自分の思い通りになるはずがないもの」を、手の内におさめているのです。

このカードが出てきた時、私たちは「何らかの困難、問題」にぶつかっていることが多いです。その困難は、簡単には乗り越えられることではないでしょう。
でもそんな時、「どうしてもあきらめたくない」という強い思いと忍耐力が、願いを叶えるための一筋の光となります。そして、力ずくで何とかしようとするのではなく、別の方法を考え、知恵をふりしぼり、工夫し続けることで、その光を自分のものにしていくのです。

もし片想いの恋を占った際にこのカードが出てきたら、「相手を振り向かせるためにはさまざまな工夫や努力が必要」ということです。そして、この女性とライオンのように、ただ従わせるのではなく自分からなついてくれるようにするためには、自分の都合だけでなく相手にもよい方法を考えていくことが必要です。

でも、何よりまず大切なのが「どんな困難に直面しようとも決してあきらめない気持ち」です。このカードが出てくる以上、まず何らかの困難があるのでしょう。それでも、相手の気持ちにこのカードが正位置で出てきたならば、相手も「確かに大変だけれども、何とかしたい、何とかしよう」と思ってくれています。それは決して楽なことではないけれど、頑張ってみようという強い気持ちを持っているのです。

そして、最後にカードの女性の頭上にあるレミニスケートについて。
「永遠、無限」を表すこのシンボルは、私たちの人生には試練がつきもので、困難な状況は何度も訪れるけれど、決してあきらめることはなく創意意欲を持って何度も乗り越えていく、ということを表しています。