4.皇帝
さて、今回は「皇帝」のカードについて読み解いていきます。
まず、絵柄に注目してみましょう。
王冠をかぶった男性が、いかめしい表情をしてどっしりと椅子に座っています。彼は赤い衣服を身に着けていますが、彼の足元に注目してみると「鎧甲冑(よろいかぶと)」を中に身に着けていることに気付けるはずです。そして背後には、険しい岩山がそびえ立つ…。
この男性は、「THE EMPEROR」の名の通り、自分の王国をしっかりと統治している年老いた支配者の姿が描かれています。数々の戦いをくぐり抜け、勝利し、現在の地位を獲得したという自信とプライドが、この男性から感じられます。彼は、国家の運営や経済をつかさどる「現実世界」の王なのです。
「皇帝」というと少し大げさに感じるかもしれませんが、これは私たちの日常にも存在します。
例えば「一家の大黒柱」である家長。最近は少なくなってしまったかもしれませんが、一家の主である父親も「皇帝」の1人です。そして、「会社や企業のトップ」である経営者や社長も、その場所を支配する「皇帝」と言ってよいでしょう。
このカードで最も重要なのは、国にしろ、企業にしろ、ひとつの家庭にしろ、「守り、維持していく」というのは、並大抵にはできないということです。
強い責任感と、一見退屈にも感じられるような「保守性」が必要なのです。無責任に一時の楽しみを求めていては、決して「皇帝」にはなれないのです。
もし、このカードが恋愛の場面で出てきたならば、2人の関係は安定していると言えるでしょう。ただ、ほんの少し変わり映えのなさを感じるかもしれません。それでも、「関係を続けていく」ということは、皇帝が国を守るように、日常を繰り返していくことで、確かな安心感が得られることをこのカードを教えてくれます。
もしアドバイスカードとして出てきたならば、「もっと自信と威厳を持ち、堂々としているように」ということ。また、お付き合い期間が短い場合にこのカードが出てきたならば、もう少し時間をかけて、2人の間に「確かな実績」を積み上げることが必要だということなのです。
©iXIT Corporation All Rights Reserved.
原稿提供元 アカデメイア