0.愚者


タロット・カードの冒頭に位置するのが「愚者」のカードです。
明るい絵柄を眺めていると、これからどこかに出発していこうとするワクワクとした雰囲気を感じませんか?

「愚者」に描かれている青年は、とても小さな荷物だけを持って、どこかに歩み出そうとしています。でも、足元の先にあるのは、素晴らしい世界なのか、それとも荒波の崖なのか、実は本人にも分かっていません。未来の保障や安心はないけれど、「まずはやってみよう」「希望を持って進んでいこう」といった冒険的な要素が強いカードです。「自由でいたい気持ち」が強い時に出てくることが多いのですよ。

ところで、かたわらにいる白い犬は、どういう役割を示しているのでしょうか。
この犬は、この青年を追い掛けているようにも、止めているようにも見えますね。タロット・カードに出てくる犬は、「境界の番人」を表すことが多いのです。この犬は、青年が一歩間違えば危険な方向に行くことを察知して、危険を感じて吠えているのかもしれませんね。それでも、この青年の歩みを止めることはできないようですが…。

もし、彼との気持ちを占った時にこのカードが出てきたら、あなたのことを嫌ってはいないけれど、「大好き!」という感情まではいっていないみたい。「この先どうなるのか分からないけれど、どうなるのか楽しみ」という、ワクワクとした気持ちなのかも。あなたの行動や努力次第で、恋を前向きに発展させていくこともきっと可能なはずです。

あるいは、もし長期的に頑張っている事柄に対してこのカードが出てきたとしたら、いったん「ゼロ」に戻して、スタート地点に立ってみては?ということかも。深刻にならず、もっと気楽な気持ちでいいんだよというカードからのメッセージなのかもしれませんね。