こんにちは。フォーチュン・カウンセラーのレイリィアスです。
今回は静岡県伊豆市の温泉地、修善寺(しゅぜんじ)を巡っていく旅です。
修善寺は、伊豆箱根鉄道の終点に位置する温泉地で、伊豆半島で最も歴史の古い温泉であり、平安時代の807年に弘法大師空海によって創ったとされる伝説があります。
また、この修善寺温泉は「日本百名湯」にも選ばれていて、芥川龍之介、川端康成、夏目漱石などの文豪たちにも愛されてきた温泉地です。
また、鎌倉時代には源氏一族の悲劇の舞台となった事でも知られています。
温泉街の中心を流れる桂川の河畔に湧いている「独鈷(とっこ)の湯」は、修善寺温泉発祥の湯で、「伊豆七不思議」のひとつでもあります。
諸国を行脚中、修善寺を訪れた弘法大師空海は、桂川で病気の父親の身体を洗う少年の孝行の心に打たれ、持っていた仏具「独鈷杵(とっこしょ)」で川の岩を打ち、霊泉を湧き出させたそうです。その湯に浸かったところ、父親の病気はたちまちに癒え、そこから温泉療法が広まったと伝えられています。そのためこの独鈷の湯は修善寺温泉のシンボル的な存在となっています。ただ残念ながら、現在この場所は見学だけで入浴はできません。
空海伝説は日本にいろいろありますが、「温泉好き」からすると、温泉を湧き出させることができる魔法のパワー、欲しいですわ・・。
そして修善寺温泉の中心地には、平安時代から続く古刹、修禅寺があります。修禅寺は、地名の「修善寺」の由来ともなった歴史のある古いお寺です。
修禅寺は曹洞宗の禅寺で、正式名称は、福地山修禅萬安禅寺(ふくちざんしゅぜんばんなんぜんじ)といいます。なんとも趣きのある山門ですね。歴史を感じます。
807年に弘法大師空海によって開基され、約470年の間は真言宗として栄え、その後、鎌倉時代に臨済宗となり、1409年の戦乱によって伽藍を焼失しましたが、伊豆国を治めた北条早雲により再建され、現在の曹洞宗となりました。
修禅寺の手水舎「大師の湯」には温かい温泉が出ています。この温泉で手を清めてからお参りするのが修禅寺の習わしとのことで、寒い冬には有り難いです。全国には時々温泉の手水舎がありますが、本当に大好きです。ほっこり癒されます。
修禅寺は鎌倉時代には北条氏に深く帰依され、伊豆の文化の中心地として栄え、堂塔が連なる大寺となりました。その一方で、源頼朝の弟の源範頼と、頼朝の息子で鎌倉幕府2代将軍の源頼家が幽閉された場所でもあります。
隣接する宝物殿「瑞宝蔵」には、空海が温泉を湧き出させたという金銅の独鈷杵や、北条政子が我が子、頼家の冥福を祈って寄進した宋版放光般若経、そして岡本綺堂(おかもと きどう)の戯曲「修禅寺物語」を書くヒントとなった2代将軍頼家の最期をうつしたといわれる木彫りの古面などが展示されています。
このとき訪れたのは1月だったので、新年を祝って干支の巳の期間限定の御朱印を授与していただきました。カラフルでかわいい。ほかにも大日如来や観音様などの御朱印があります。その年の干支の御朱印はレア度がアップしますね。
1月の伊豆にはイチゴがたっぷり。とても美味しかったです。やっぱりイチゴはスイーツの王様です。
修善寺温泉は、修禅寺を中心に開けた温泉街で、古より湯治場として親しまれてきました。
温泉情緒が感じられる温泉街には、さまざまな故事・歴史にまつわる名所や、四季を通じて楽しめる豊かな自然などがあります。ありがとうございます。
次回は「修善寺2」です。
お楽しみに。
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原稿提供元 アカデメイア